コンフェクショナリー・コオロギ

ハイジェント株式会社
メインパートナー(国内産)

ハイジェント株式会社

金属材料などのメッキ加工を手がけるハイジェント株式会社。2021年、同社の山形工場でコオロギ養殖を開始した。全く別業種の企業がなぜコオロギ事業に携わっているのか。コオロギ生産へのこだわりや、MNHとの未来について聞いてみました。

ハイジェント株式会社

メッキ加工とコオロギを関連づけるのが難しいの ですが。コオロギ事業がスタートしたきっかけを 教えていただけますか?

根岸さん

1つは「山形の工場を有効活用できないか」という議題がきっかけでした。弊社の工場は全国に複数あり、パッケージ加工など多種多様な製造加工をしています。一方で山形工場はメッキの加工のみで、工場内には余剰スペースがありました。何か有効活用できればいいなと考えていたんです。
それと同時期に、新規事業に関するリサーチをするよう、社長から私たち営業部隊に指示が下されまして。「次の事業は社会に貢献できるもの」という指針のもと、山形工場を有効活用できる新しい事業を模索しました。
そんな中、コオロギ養殖を行っている企業があることを知りまして。すぐにその企業へ連絡をいれ、コオロギ養殖の事業について伺ってみました
環境に優しく、人類の食料危機にも一役買う可能性があることを聞き、「これだ!」と思ったんです。
他にも養殖関連の事業を検討しましたが、飼育のしやすさや社会貢献度を考えると、コオロギが1番私たちの要望を満たしているなと。異業種へのチャレンジも面白いと思いましたし。

ハイジェント株式会社

食用コオロギ事業をゼロからスタートさせたのですね。 どんなことに苦労されましたか?

野桑さん
(工場長)

コオロギパウダーの質感を安定させることに、実は今も試行錯誤しているんですよ。コオロギが持つ独特の臭いを消すには、エサの改良が必須です。同じエサを与えても分量によって、コオロギのパウダーがサラッとしたり、ウェットになったり。質感が変わってしまうんですね。
臭いを消そうと思って、エサの量を増やすとコオロギの油脂が増えてウェットな質感になってしまいます。エサの量を減らすと今度は臭いが気になるという、もどかしさがあるんです。
専門家の知識も借りながら実験を重ねることで、コオロギ自体の味は安定しています。パウダー加工の工程ではまだ課題がある状態。サラサラかつ、臭いがないコオロギパウダーの製造を目指して今も改良を続けています。

御社のコオロギは味が美味しいだけでなく、タンパク質の量が多いことも特徴的ですよね!

野桑さん
(工場長)

そうですね。一般的に言われているタンパク量より、ハイジェントのコオロギは10%ほど高い数値になっています。
「工場でタンパク質を作る」をモットーに、味以外の質にもこだわっています。私たちは食品業界での経験値は浅いですが、30年以上製造業で培ってきた技術や分析力があると自負しているんです。
たとえば、気温変化の激しい日本でも温室管理はたやすい御用ですし、飼育に必要な部品があればすぐ製造できます。製造の過程でおこる現象に対して常に仮説検証してきたので、コオロギの味、質感、成分すべて科学的に改良している。それがクオリティとして現れているのかなと思います。

ハイジェント株式会社

製造業のノウハウが活かされていると思うことは他にもありますか?

野桑さん
(工場長)

衛生管理の面でも製造業の経験が活きていますね。私たちは今、ISO認証HACCPの認定を受けるための準備を進めています。
除菌・殺菌は特に徹底しています。たとえば90度の高温で乾燥させたり、防塵服の着用だったりは当然のこととして実施していますし。
先ほどお話したように、温度管理は製造業でも同様に求められてきたことですから、コオロギ養殖にもすぐ適用できましたね。

ちなみに山形という地域の特性がコオロギ事業に 役立っていると思うことはありますか?

根岸さん

ありますよ。まず山形は水も空気も美味しいうえに、地産地消の食材が容易に手に入るんです。
工場に勤務している従業員は農家と兼業している人が多いですから、形が崩れて出荷できない野菜などたくさん譲ってくれるんですよね。そのためコオロギのエサには困ることがありません。
地元の方たちとの繋がりがあること。そして私たちの事業を応援していただいてることは、事業促進の強みになっています。

「一緒に社会課題に取り組む」MNHの理念にも 通ずるものがあります。

根岸さん

そうですよね。共通の知人から紹介されて、小澤さんと話をさせてもらったのが最初のきっかけですが、共感することが多くて。
「一緒に……」という考えはもちろんですが、MNHさんが作っている子ども向け製品も私たちが関心を持っているジャンルでした。
子どもが昆虫への興味を示すことが入り口となって、コオロギへの注目度も上がっていくのではないか。
その想いから
子ども向け商品『コオロギふりかけ作りキット』が誕生しましたね。

ハイジェント株式会社

一緒に手がけた最初の商品ですね!今後さらにMNHに期待することや、一緒にやりたいことはありますか?

根岸さん

子ども向け商品の開発は、これからも注力していきたいと思っています。すでに子ども達が「美味しい!これなら食べられる!」と言ってくれていて……可能性を感じています。
子どもが楽しく学び、昆虫食を身近に感じられる商品をMNHさんと一緒に作っていきたいです!
まずMNHさんと一緒に国内で基盤を固め、いずれは海外も視野にいれて展開を広げていきたいですね。海外でも子ども向け商品はうけると思いますし。その際は、すでに海外取引もあるMNHさんにお力添えいただけたら嬉しいです。

\本日はありがとうございました!引き続きよろしくお願いいたします。/

ハイジェント製の商品が使われている私たちの商品