コオロギフードの安全性に関して、お問い合わせをいただく機会が増えましたので、MNHの見解をまとめました。
人は紀元前からコオロギを含む昆虫を食べてきた歴史があります。現在でも、昆虫は東南アジアや中南米などを中心に世界の約20億人に食べられており、貴重なタンパク源の1つです。そして、日本も同様に、新潟県、福島県、長野県、山形県などで食べられてきた記録がいくつかの研究論文で報告されており、その概要は「昆虫食文化事典, 三橋淳著」などにまとめられています。
コオロギが広く注目されるようになったのは2013年のことでした。国際連合食糧農業機関(FAO)が「食用昆虫~食料と飼料の安全保障に向けた将来展望」の報告書を発表したことをきっかけに、世界人口増加に伴う食糧危機の救世主としてコオロギが認知されるようになったのです。
コオロギが注目される一方で、コオロギフードに対する批判的な考え方や、過度なバッシングも増加しています。多数の批判で論拠として用いられるのが、2018年に欧州食品安全機関(EFSA)が公表した「新食品としてのヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)についてリスクプロファイル」です。
レポートには、コオロギがもつ細菌や生物濃縮のリスクについてのみ記述されていますが、一部の情報が歪曲され「不妊やガンの原因となる」といった情報がSNSなどで発信されています。しかし、EFSAが公表した内容は、一般的な食品に当てはまる内容であり、コオロギが他の食品と比べて特定の症候群や疾病を引き起こす可能性があることを証明しているものではありません。
懸念される安全・衛生面においては、MNHで取り扱うコオロギは提携する全ての工場で徹底した管理のもと完全養殖を行っています。そして、世界トップレベルの食品安全基準をクリアしたコオロギのみを輸入して使用しています。
※詳細は、ホームページ内にあるインタビューをご覧ください。
なお、2020年には欧州委員会(EC)で、欧州連合(EU)市場向けにヨーロッパ・イエコオロギ(Acheta domesticus)を食用として認可することを公表しています。欧州食品安全機関(EFSA)による長年の厳格な評価の結果を受けて、コオロギの摂取は安全であると正式に結論付けられています。
MNHでは、コオロギフードに関する事実を正しく消費者に伝え、認識していただいた上で、必要な人に商品をお届けしたいと考えております。国の定めるガイドラインに基づきながら、これからも安全で美味しいコオロギフードを召し上がっていただけるよう努力してまいります。